入コン沢(入りコン沢)とは ①
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糸魚川産翡翠は糸魚川の数か所に産出ポイントがあります。
店によっては採取された場所により、姫川産、小滝川産、青海川産と、丁寧に価格タグに提示されていることもあります。店主や店員に訊ねても大抵は教えてもらえます。
同じ糸魚川市でも産出されたポイントにより色味が違うと言われています。
正直、私は色味で採取ポイントの特定はできません。
実際に、ほぼすべての糸魚川の翡翠ポイントで採取されたヒスイ資料や個人の個体を見ていますが、内包物に若干の違いはあるものの、大きな違いは感じられません。
ただし例外が1ヵ所あり、そのポイントで産出されたヒスイは独特な特徴をもっていることで有名です。
その例外ポイントは「入コン沢」あるいは「入りコン沢」と呼ばれる場所で、糸魚川産翡翠に興味をお持ちの方は一度は耳にするフレーズではないでしょうか。 入コン沢は特に青ヒスイが有名で、入りコン=青ヒスイと言われるくらいです。産出量の少なさから大変に希少で「入コン沢産」と銘が入った青ヒスイは驚くほどプライスが上がります。
入コン沢産の青ヒスイが世に広がった歴史は浅く、今から30年ほど前くらいからではないでしょうか。 長い間人目に触れることもなく川底の土中に封印され、表面が風化したものはとてもヒスイには見えません。入コン沢周辺の人々は他の岩石同様に汚い岩石だと思い、それが希少で貴重なヒスイ原石とは知らず、興味がなかったそうです。
たまたま入コン沢産ヒスイを分析した学者様がおり、「世界的にも類を見ない青色ヒスイ」と評されました。以来、脚光を浴び、全国から翡翠ハンターが押し寄せたそうです。
私有地が多い為、周辺住人からの苦情もあり、現在では秘境となっております。
さて、その入コン沢とはどんなところか?
色々なショップブログや販売店で商品紹介しているのはよく見かけますが、受け売りばかりで入コン沢の詳細は見たことがありません。筆者は糸魚川在中と言う事もあり、今後 当ブログでは少しばかり詳しく紹介出来ればと思います。
今日の入コン沢の様子(2014.05.31現在入コン下流)


続く
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追記:
この記事は、かつて職人が入りコン沢青翡翠について取材した記録です。
当時、私も糸魚川在住でした。現地の風土・歴史の中に糸魚川翡翠をみつけるたび興味津々で、翡翠原石に触れる機会も多く、無我夢中だったような気がします。
糸魚川翡翠に関わるヒスイ商の間では「入りコン沢青翡翠」という認知があったもの、他府県での知名度はそこまでなく まだまだ世に知られていなかった為、昨今のような人気高騰ぶりではなかったように記憶しています(それでも稀少故プライスカードの値段は0の数が他の翡翠と明らかに違ってましたが…)